ドキドキの初体験
ぼんやりと道を歩いているせいか。
人のよさそうな顔をして歩いているからか。
不思議に道を聞かれる率が高い。
概ね、おじーちゃん、おばーちゃん、おじちゃん、おばちゃん。
年配の人には妙に受けのいい俺。
「ウチの孫にしたいわ」は日常の事さ(笑)。
久し振りに友達と遊ぶ。
彼からの指令は「普段は着ない色を着て欲しい」だった。
うーんと悩んで、「赤」はあまり着ないからと、赤に決定。
とはいえ、普段着ない色という事は、持っていないという事で。
友達から赤色のレザージャケットを借りた。
代わりに茶色のジャケットを貸した。
赤のジャケットに中はスモーキーピンクのTシャツ。
ブラックジーンズをはいた。
鏡でチェックしたら、髪の収まりが悪い。
という事で、ワックスで前髪を後ろに流した。
一応、お洒落をネ(笑)。
慣れない格好をして、待ち合わせ場所へと急ぐ。
駅前の横断歩道。
赤信号でぼんやりと待っていると、肩を叩かれた。
横を見たら、化粧で武装したお嬢さんが立っていた。
頭から足先までバッチリ決めて、全身からオーラが漂っている。
なんだろうと不思議そうに見返すと、艶やかに微笑まれた。
「カラオケ、一緒に行かない?」
……は??????
馬鹿みたいに大口をあけて、もの凄い間抜け面を晒す。
俺の反応に、彼女も困惑気味。
というか、一気に不機嫌になった。
「ごごごごごご、ごめんなさい。俺、友達と約束があるから」
腰を90度に曲げて謝罪。
信号が青に変ったのを幸い、その場を逃げる。
振り返ったら女の子が立っていて。
道を聞かれるだろうと思ったら、逆ナンパでした。
……多分?
ナンパなんかしなくても、声を掛ける男はいっぱいいそうな可愛いお嬢さんだったので、もしかしたらどこかでカメラが回ってるドッキリかもしれない…不安は拭えないんだけど。
まあ、とにかくドッキリはした(笑)。
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